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第2回「スカイツリー:肢体不自由者による確認会」

当会では「東京スカイツリータウン®施設UD(ユニバーサルデザイン)アドバイザー」をオープン時より務めさせていただいております。2015年度で3年目になり、とても光栄に感じています。
オープニング前に、障害当事者の方々、20名ほどによる確認会を実施しましたが、今回はオープン後、初めてとなる確認会を実施しました。オープンしていることもあり、個人単位での確認会をプログラムしましたのでその様子をご紹介します。

◆肢体不自由者による確認会の様子

車椅子エレベーター

車椅子エレベーター

肢体不自由者の方が施設利用するにあたり影響することとして、一番みなさんの中でも思い当たるのは「段差」ではないでしょうか? ただ、最近の建物においては、段差に困る設計はほとんどなくなってきています。歩行困難者・高齢者のために段差を極力なくし、スロープを設置するなど対策がなされています。次のステップとしては、その「スロープの距離や角度がどうか?」という点を見ていかなければなりません。

そのほか、意外と皆さんが意識しないと思われるのは「駐車場」です。車椅子を使用されている方で、単独で車の運転をされる方は意外と多くいらっしゃいます。 単独の車椅子使用者は、車椅子から移乗して車椅子を折り畳んで後部座席に積み込む!という大変な作業が必要なので、車椅子マークの駐車場しか利用ができません! それを知っていてくだされば、車椅子マークの駐車場を健常者が利用するようなことは、起こらないのではないかと思います。
やはり、肢体不自由者の場合、ハード面の障害が最も影響してきます。外出先のトイレ事情は最重要ポイントです。 最近の障害者用トイレは、「みんなのトイレ」と呼ばれることも多く、詰め込みすぎ感があります。多目的に使えることは重要ですが、ここで大切となるのは「このトイレしか使えない人がいる」ということを、他の利用者が知っているかどうか?だと思います。駐車場問題と、まったく同じですね。

『ハードを変える』ということは、費用も時間もかかる場合が多く、非常に難しいです。となると、できることは『ソフト面』=人的対応でいかにカバーできるのか?が、何より大切になってきます。

その他、床材の材質については、すでに毛足の短い素材を選んでくださってはいますが、じゅうたん敷きは豪華ではあるものの、車椅子の操作性は非常に難しくなります。今後、張り替えなどされる際には、そのあたりも考慮いただきたい旨をお伝えしました。
あとは、いかに他のお客様と同様に(当たり前に)楽しめるか、に関して、スタッフの方々の対応や声かけなど等を確認してまいりました。

当会がスカイツリーさんから相談を受けましたのは、オープン半年前。すでに設計は確定し、工事も進んでいる中でした。多くの企業さんがそうですが、設計は設計のプロに頼むわけで、その通り出来上がったものを運用していくことになります。その時点からご相談を受けることがほとんどですが、そこからでは、ほぼハードを変えることは無理です。となると、いかにソフトで対応できるかどうか?にかかってきます。よって当会では、ハード面において「どんなふうに困る人がいるか」を知ってもらい、そんな時に「どのようなお手伝いができるか」の部分に力を入れてお伝えするようにしています。

スカイツリーさんは、スタッフの皆さんの対応が素晴らしいです。企業として、「すべての方が利用しやすい施設を目指そう!努力を続けよう!」という姿勢が感じられ、お手伝いさせていただきながら、非常に気持ちがよいです。(第2回・UDアドバイザー通信)