今回は宿泊施設での補助犬受け入れについてです。
ホテルや旅館などの宿泊施設が、補助犬同伴で利用する際の条件として「ユーザーは事前にホテルに必ず連絡してください」と要求するのは問題ないのでしょうか?
宿泊施設で、補助犬同伴を受け入れる条件として、ユーザーに事前連絡を要求することは「 障害者差別解消法違反」になってしまいます。
障害者差別解消法の中では「不当な差別的取り扱い」が禁止されています。
施設やサービスを利用する際に、「障害のある人だけに対して特別な条件をつけること」は、この不当な差別的取り扱いにあたります。
宿泊施設が補助犬ユーザーさんだけに対して事前連絡を要求することは差別的な取り扱いになってしまうんです。(今回は例として宿泊施設をあげましたが、その他の施設やサービスも同様です)
当然ですが、補助犬ユーザーの側にも事前に連絡をする義務はありません。
でも、ユーザーさんの中には初めて補助犬を受け入れるかもしれない施設を気遣って、事前に利用することを伝えていらっしゃる方もいるそうです。
もちろん、本来ならばそのような連絡をしなくても、どんな施設でもいつでも安心して、補助犬と一緒に気持ちよく使える社会になることが大切!
そんな社会にしていくためにも、皆さんもぜひ周りの人に教えてあげてくださいね。
盲導犬のハーネスの色は「道路交通法」で決められています。
「水色」「白」「黄色」この3つの選択肢のうち、1色だけ間違っている色があります。
街で出会う盲導犬とユーザーさんたちを思い出しながら考えてみてください。
盲導犬のハーネスの色は、「道路交通法施行令」で「白または黄色」と定められています。
今度、街でお仕事をしている盲導犬に出会ったら、そっとハーネスをチェックしてみてくださいね。
そしてもちろん、ユーザーさんが困っていそうなときは、「何かお手伝いしましょうか?」の声かけもよろしくお願いします。
補助犬は、ユーザーさんと一緒にレストランに行ったり、病院に行ったり、人が集まる様々なところへ行く機会が多くあります。こうした「社会参加」をするときにとっても重要なことがあるんです。それはいったい何でしょうか?
補助犬たちがユーザーさんと社会参加をするときに重要なのことはたくさんありますが、中でも特に重要なのは「ワクチン接種」!(もちろん、人懐こさや可愛さも大事だけどね!by聴導犬チャンプ)
補助犬たちは1年に1回、2つのワクチンを受けています。
ひとつ目は、狂犬病予防注射。この注射は、狂犬病予防法によって補助犬はもちろん、飼育されているすべての犬が1年に1回接種しなければいけないことになっています。
そしてふたつ目は、混合ワクチンです。犬の混合ワクチンには様々な種類がありますが、補助犬のようにユーザーさんと社会参加をする場合は、「人獣共通感染症」を防ぐことが大切です。そのため、「レプトスピラ症」を予防することができる7~9種のワクチン接種が望ましいとされています。
そして!ユーザーさんたちは、ワクチン接種以外にも補助犬との社会参加のために、補助犬たちに対して様々なケアを行っています。毎日のブラッシングや、定期的なシャンプー、耳掃除や歯磨きなど…。補助犬たちの健康を守ることはもちろんですが、一緒にレストランや医療機関を利用した際に、周囲の方に迷惑にならないよう、細かい気配りをしています。
皆さんご存じの通り、日本で活躍している補助犬たちは、「身体障害者補助犬法」に基づき、訓練・認定をされた犬たちです。実は、日本と同じような認定制度がある国があります。さて、それはどこでしょうか?
日本と同じような補助犬の認定制度があるのは…「台湾」です!
台湾では、障害者の権利に関わる法律の中に、補助犬のことが書かれており、日本と同じ盲導犬、聴導犬、介助犬にアクセス権が認められています。育成団体も、法律によって定められた基準をクリアしている必要があります。そして、社会で活躍する補助犬たちには、ハーネスやベストの着用義務もあるそうです。日本とよく似た制度ですね!
皆さんご存知の通り、補助犬同伴の社会参加を保証している法律といえば、「身体障害者補助犬法」ですよね!
でも、実はもうひとつ、補助犬同伴での社会参加を保証している法律があるんです。
なんという法律でしょうか?
補助犬同伴の社会参加を保証している法律、「補助犬法」ともう一つは、「 障害者差別解消法」です。
この法律は、平成28年4月1日から施行されました。補助犬や障害を理由にユーザーさんを拒否することは、「正当な理由がない差別的取り扱い」になり、障害者差別解消法違反になってしまいます。
その他、障害者差別解消法では「合理的配慮」の提供も義務付けられています。(現在は「義務」とされているのは、行政機関のみ。今年5月に改正法が成立し、これまでは「努力義務」であった民間事業者も「義務」となります。この改正法は3年以内に施行されます)
補助犬法についてもう一度復習したい方、合理的配慮についてもう少し詳しく知りたい方は、厚生労働省のyoutubeチャンネルから「ほじょ犬もっと知ってMOVIE」をご覧ください。2分ほどの短い動画で、2つの法律のことを知ることができますよ!
「犬は衛生面からお断りしています!」というのは、同伴拒否をされてしまう際のよくある理由です。では、補助犬たちは衛生的に問題があるのでしょうか…?
同じ場所を同じ時間に一緒に散歩をした犬と人間の靴の裏、より菌が多いのはどちらだと思いますか?
犬の足の裏はあんまりキレイじゃなさそう…と思った方も多いかもしれませんが、より菌が多いのは…「人の靴の裏」なんです!
これはオランダのユトレヒト大学の予備調査でわかったことです。研究の概要は次の通りです。
①補助犬25頭とそのユーザー25人、②家庭犬25頭とその飼い主25人のグループに、15~30分の散歩をしてもらった後、犬の足裏、人の靴裏の菌を検出します。
その結果、大腸菌の検出検査が陰性(大腸菌がいなかった)だったのは、全体で犬の足裏72%、人の靴底42%でした!この調査により、犬の足裏の方が菌を持っている割合が少ないことが示されました。
より詳しく結果を分析すると、補助犬か家庭犬か、またはユーザーか飼い主であるかの違いはみられませんでした。また、細菌の数においても、犬の方が有意に少なく、補助犬&ユーザー、家庭犬&飼い主のどちらの結果も、同様の数値を示しました。もう一つの検査対象、クロストリジウム・ディフィシルについては犬からはまったく検出されませんでした。
つまり、この研究から、犬の足裏は補助犬・家庭犬にかかわらず、一般的に人の靴底よりも衛生状態がいいことが示されたんです。
ところで、どうしてこんな研究をしたの?と思われた方もいらっしゃるかもしれません。実は、この研究に協力した補助犬ユーザーさんたちの81%、およそ5人に4人が現在の補助犬において1回または複数回、補助犬の同伴拒否をされた経験があったんです。その主たる理由は衛生面とされていたこともわかりました。
オランダの病院における補助犬利用者の来院は患者全体の0.02%と推定されており、研究者らは犬が足裏につけて運んでくる可能性のある細菌に対する衛生対策は、短時間の診療ですむ病院においては必要ないと結論を出したそうです。これは、世界的中の補助犬ユーザーさんたちに、大きな後ろ盾となる調査研究ですね!
補助犬法では、公的な機関や公共交通機関、不特定多数の人が利用する施設などでは、補助犬の同伴を受け入れることが義務化されています。ところが、飲食店や医療機関などで同伴を拒否されてしまうユーザーさんがまだまだいらっしゃいます。
お店などの事業者が同伴拒否をして、補助犬法に違反した場合、罰則はあるんでしょうか…?
実は…補助犬法に罰則は「ない」んです!!
「罰則があれば、同伴拒否されてしまうユーザーさんが減るんじゃないの…?」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。実は補助犬法に罰則がない理由のひとつには、ユーザーさんたちの強い想いがあります。
その強い想いとは…お店などの施設に、「罰則があるから、ユーザーさんと補助犬を受け入れます」と言ってほしくない!という想い。
補助犬たちはユーザーさんによってしっかり行動・衛生管理されていることを、受け入れ側の施設の方たちにきちんと理解してもらって、「補助犬なら大丈夫ですね!どうぞ、一緒にお店に入ってください!」と、気持ちよく受け入れてくれるような社会になることが、ユーザーさんたちの希望です。
法律の罰則という強制力のあるものではなく、補助犬について正しく理解を示したうえでの受け入れが大切です。
そのためにも、補助犬のこと、ユーザーさんのこと、もっともっと知って、周りの方にも教えてあげてくださいね!
さて、この補助犬法ですが、何のため、誰のための法律なんでしょうか?
補助「犬」法だから、「犬のための法律では?」と思った人もいるかもしれませんが、補助犬法はあくまでも「人」のための法律です。ということで、補助犬法は「障害のある方の自立と社会参加のための法律」なんです!
障害のある方たちが、補助犬たちと一緒に生活することで自立したり、社会参加をしたりすることが補助犬法の大切な目的だってこと、ぜひ覚えておいてくださいね。
盲導犬ユーザーさんが持っている便利グッズのこと、ご存じですか?
ベルトのようなものとビニール袋をセットで使うみたいです。何に使うかわかりますか?
盲導犬ユーザーさんが持っているベルトとビニール袋は…「盲導犬のトイレ」に使います。
目が見えない人がどうやって盲導犬のトイレを片付けるの?と思う方もいらっしゃるかもしれません。実は、目が見えなくても周囲を汚さずに片付けられるものが、今回のクイズで紹介した道具なんです!
そして、補助犬たちのトイレのタイミングはユーザーさんたちがしっかり把握しています。決して犬たちに我慢をさせないように、その日の犬の体調や1日のスケジュールを考えているので安心してくださいね。
FAQ34、FAQ35で、盲導犬と介助犬が誕生した国がわかりましたが、最後は聴導犬について!
聴導犬が最初に誕生した国はどこでしょうか?
聴導犬が最初に誕生した国は…「 アメリカ」です。聴導犬の発祥は1975年のアメリカと言われています。
とあるラジオの番組に女性が、「家の中で鳴る音を教えてくれるように、犬を訓練できないか」と投稿したことがきっかけだったそうです。
日本での聴導犬の歴史は1981年の国際障害者年に始まりました。はじめは、アメリカでの写真や文献を参考に訓練をしていたそうです。
ちなみに、2002年に補助犬法ができて最初に認定された聴導犬は、当会の理事も務めている、松本江理の初代聴導犬 美音(みお)ちゃんです。(現在は3代目聴導犬チャンプと生活しています)
(聴導犬の歴史については、日本聴導犬推進協会さんのウェブサイトを参考にさせていただきました)
FAQ34で、盲導犬が誕生した国はドイツということが分かりましたが、では介助犬が最初に誕生した国はどこでしょうか。
「アメリカ」「オランダ」「イギリス」の三つの中でどの国かわかりますか?
介助犬が最初に誕生した国は…「 アメリカ」です。
盲導犬は「ドイツ」、介助犬は「アメリカ」、ぜひ覚えておいてくださいね。
介助犬は1970年代後半に、アメリカでボニー・バーゲン博士が「障害のある方と犬たちの関係」を考えたことから育成がスタートしました。日本に介助犬がやってきたのは、1992年のこと。その後、1993年から日本でも介助犬の育成がスタートしました。
ちなみに、介助犬デイジーのユーザー木村佳友(当会副理事長)の初代介助犬シンシアは、1999年に介助犬として初めて国会傍聴に同伴したという経歴の持ち主!シンシアについては、最近三重県のケーブルテレビ(ZTV)で紹介もされました。
本来ならば、ZTVに加入されている方しか視聴できなかったのですが、ZTV様や吉本興業様のご厚意により許可をいただき、木村のyoutubeチャンネル(チャンネル名:cyn-el-dai)にて動画がアップされています。2分という短い時間ではありますが、介助犬シンシアのことや補助犬法のことがよくわかります。ぜひこちらもご覧くださいね!
介助犬の主なお仕事のひとつ、「落としたものを拾う」作業ですが、適切なタイミングはいつでしょうか?
「落としたらすぐに?」「ユーザーさんと目があったらすぐ?」それとも、「ユーザーさんに指示をされてから…?」
正しいタイミングは…「ユーザーさんに指示をされてから」です。
落としたのは見たらわかるんだから、何も言わなくても拾ってくれたらいいのに…、と思う方もいらっしゃるかもしれません。
でも、もし、ユーザーさんが落としたことに気づいていなかったら、どうなってしまうでしょうか。外出中などは、車いすに介助犬のリードを結んでいる場合があります。
介助犬が物を拾うために急に動いたら、リードで引っ張られて車いすごと転倒してしまうかもしれません。
そんな事故を防ぐためにも、介助犬の作業は「ユーザーさんに指示をされてから!」が鉄則です。
街で見かけた補助犬ユーザーさんに、勇気を出して「何かお手伝いしましょうか?」と声をかけたら、「今は大丈夫です」と言われることもあります。そんな時、正しいのはどのような対応でしょうか。
「断られて残念だったから黙って立ち去る?」
「それでも心配なのでこっそり後をつける?」
「今は困っていなくて良かった!と思って、お気をつけて、と見送る?」
正しい対応は…「今は困っていなくて良かった!と思って、お気をつけて、と見送る」です。
この対応は、補助犬ユーザーさんに限らず、皆さんがサポートのために声をかけてくださった相手の方、全員に当てはまります。
せっかく勇気を出して声をかけたのに、「今はいいです」と言われてしまったら、「せっかく声をかけたのに…」と残念な気持ちになって、「また断られたら嫌だから、もう声をかけないようにしようかな…」なんて思ってしまう方もいらっしゃるかもしれません。
でも、もう一度よーく考えてみてください。サポートを断られたということは、その方は「今は困ったいなかった」ということです。そう考えてみると、「困ってなかったんだ!良かった~」と思いませんか?
そして、たとえサポートを断られたとしても、声をかけてくださったあなたの優しい気持ちは確実に相手の方に届いています。時には少しぶっきらぼうに断られて、びっくりしてしまうこともあるかもしれませんが、そんな時もちょっと発想を変えてみてください。もしかしたら、声をかけたのがあなたで10人目だったのかも…?その方も断るのに、少し疲れてしまったのかもしれません。
ただ、できるだけそんなことがないように、障害のある方たちもサポートを断るときには「声をかけてくれてありがとう」をちゃんと伝えましょう、と活動してる方もいらっしゃいます。声をかける側もかけられた側も、思いやりをもってコミュニケーションが取れたらいいですね。
特に最近はコロナ禍の中で声かけのサポートが減ってしまった、と感じている障害のある方も多いようです。あなたの声かけはきっと役に立つはず!勇気を出して、「何かお手伝いしましょうか」と声をかけてみてくださいね。
補助犬になる訓練を始める時期はいつごろかご存じですか?
生まれてすぐ?半年くらいたってから?それとも1年くらいたってから?
正解は…「生まれて1年くらい経ってから」でした!
通常、1才くらいまではボランティアでもある「パピーウォーカー」さんの家庭で、様々な経験をしながら愛情たっぷりに育てられます。1才を過ぎると、訓練施設に戻ってきて補助犬になるための訓練を始めます。ここでは、訓練士さんがしっかりとそれぞれの犬の性格をチェックして、補助犬のお仕事を楽しく、ストレスなくできる子だけが補助犬になります。
補助犬にならなかった子も、たまたま補助犬に向いていなかっただけで、家庭犬として家族を癒してくれたり、中には訪問活動で才能を発揮する子もいますし、補助犬のお仕事を皆さんに知ってもらうためのPR活動をしてくれている子もいます。人間と同じく、適材適所、ですね。
元保護犬が活躍していることもある補助犬の種類ってご存じですか?
ヒントは、それぞれの補助犬のお仕事を考えてみてください。いろいろな犬種が活躍できそうなお仕事をしている補助犬は…?
正解は…「聴導犬」です!!
ユーザーさんが補助犬たちへ指示する言葉を聞いたことはありますか?
盲導犬は「ストレートゴー」(まっすぐ進め)、介助犬は「テイク〇〇」(〇〇持ってきて)、などなど、基本的に指示語(動詞)は英語で伝えています。ほめる時の言葉も「グッド!」ですね。
英語で伝える理由は、「日本語だと、人によって言い方や方言が異なり、犬が混乱するから」です。
日本語は一つの単語でもいろいろな言い方がありますよね。「座って」「座れ」「お座りして」…。座ってほしいことを伝えるだけでも、こんなにたくさんの言い方が!また、地域によっては方言で、まったく違う言葉になることもあります。
でも、英語なら「シット」という言い方しかありません。補助犬たちは統一された言い方で、混乱せずにユーザーさんの指示に従うことができます。
海外から来日した「Guide Dog(盲導犬)」「Mobility Service Dog(介助犬)」「Hearing Dog(聴導犬)」のユーザーさんたちは、日本の公共交通機関やお店などをこれらのアシスタンスドッグと一緒に利用できるのでしょうか?次の3択で考えてみてください。
①決められた手続きをして、証明書を持っていれば入れる
②特に手続きは必要なく、日本のユーザーと同じように入れる
③ 海外のアシスタンスドッグは日本のお店には入れない
正解は…「①決められた手続きをして、証明書を持っていれば入れる」です。
「身体障害者補助犬法」は、日本の補助犬に関する法律なので、それを海外のユーザーにそのまま適用することはできません。そして、海外から来たアシスタンスドッグは種類はもちろん、訓練の基準等が様々です。(海外には日本のように法律で定められた訓練基準がありません)
電車に乗っていたら、急に電車が止まってしまいました。アナウンスで、「事故があって、電車が止まりました。次の駅で全員乗り換えてください」と言っています。あなたのそばには、聴導犬ユーザーさんがいます。どうやってアナウンスの内容をユーザーさんに伝えますか?
聴導犬がいるから、サポートは不要?
それとも、手話ができる人を探す?
それとも、スマホにアナウンスの内容を入力して見せる?
ここでの適切な行動は「スマホにアナウンスの内容を入力して見せる」です。
聴導犬は様々な音があることは教えてくれますが、人がしゃべっているアナウンスの内容までは教えることができません…。聴覚に障害のある方は、アナウンスの内容を聴き取れなかったり、そもそもアナウンスがあることに気が付かない場合があります。
少し高い段差を前に困っている介助犬ユーザーさんがいたら、あなたはどうしますか?
特に声はかけずに後ろから押して、段差を上がるお手伝いをする?
「後ろから押すお手伝いをしましょうか?」と声をかける?
介助犬がいるのでサポートは必要ないだろうと通り過ぎる?
正しい対応は、「後ろから押すお手伝いをしましょうか?」と声をかけることです。段差を乗り越えたいのは見たらわかるから、わざわざ聞かないで、後ろから押してあげよう!って思う方もいるかもしれません。でも、断りなく急に後ろから車いすを押されるのはとても怖く、場合によっては転倒してしまうこともあるかもしれません…!?
サポートのキモチはとっても嬉しいので、まずはユーザーさん(車いすの方)に声をかけてください。声かけの方法は皆さん、よくご存じ「何かお手伝いしましょうか?」でOKです!
盲導犬ユーザーさんを含め、視覚に障害のある方にとって、駅ホームは危険がたくさんの場所です。障害物を避けたりしているうちに方向を見誤ってしまうこともあります。線路転落防止にはホームドアが効果的ですが、ホームドアは莫大な費用がかかること等もあり、すべての駅に設置することは現実的ではありません。
視覚に障害のある方が、駅ホームで誤って線路に向かって歩いていたら、
「盲導犬ユーザーさん(または、白杖をお持ちの方)!止まって!」
と大きな声で伝えてください。大切なポイントは「盲導犬ユーザーさん(白杖をお持ちの方)!」と呼びかけの一言をいれることです。視覚に障害のある方は、周囲の様子を目で確認することができないので、「危ない!」と言われても、自分に言われているかどうかわからず、そのまま歩き続けてしまうことがあります。確実にユーザーさんに立ち止まってもらうには、「盲導犬ユーザーさん!」とユーザーさんに話しかけていることがわかるようにしましょう。(これは緊急時だけでなく、通常のコミュニケーションでもぜひ実践してみてください。大勢での会話の時など、視覚に障害のある方もスムーズに会話に加わることができます。)
ちょっとした私たちの見守りの目、助け合いのキモチで少しでも悲しい事故がなくなりますように。
補助犬にはオスとメス、どちらでもなることができます。実は性別は補助犬に向いている、向いていない、に関係ありません。
補助犬にとって大切なのは、「性別」よりも「性格」です。どんな場所でもユーザーさんがいれば落ち着いていられたり、いつでも楽しくお仕事に取り組めたりできる性格の子が補助犬に向いているとされています。当会副理事長木村と理事松本のパートナーたちも、明るくって天真爛漫、いつでもお仕事に全力投球!な性格が補助犬にぴったりなんです。
補助犬ユーザーになれる年齢は「18歳以上」と補助犬法で決められています。
補助犬ユーザーとして社会参加するためには、補助犬の日常のお世話はもちろん、衛生管理、行動管理もすべて自分でやらなければなりません。それらを責任をもって適切に遂行できるのが18歳以上ということです。
もちろん、18歳以上ならだれでもユーザーになれるわけでもありません。その方の生活環境や障害の状況(一概に重度だから、軽度だからダメということはありません)などを、訓練事業者さんや医療従事者の方々が総合的に判断します。
畳のある飲食店や旅館も、特に条件なく普通の施設と同じように、補助犬を同伴して利用できます。
施設の方からは「補助犬の爪で畳が傷むのでは…?」とご相談いただくこともあるのですが、心配しなくて大丈夫!です!
きちんと決められた場所で待機ができる補助犬は、畳の上をむやみやたらに走り回ったりしませんし、定期的に爪切りもしているので、畳を傷つける心配もありません。
犬用の靴下を履かせたほうが良いのでは?と思われるかもしれませんが、靴下は犬が慣れていないと通常通りに歩行できず、却って畳を傷つけてしまうかもしれません!?
そして、爪とぎもしません!!爪を研ぐのはネコの習性なんです。補助犬はイタズラで畳をひっかいたりもしないので、安心して受け入れていただけたら嬉しいです。
そして、もちろん人が靴を脱いで上がる場所には、補助犬も足の裏を拭いてから上がります。これは補助犬が社会参加をする上でとっても大事なマナーです!
もし、使用者さんがうっかりしていたり、気づいていないようだったら、「補助犬の足を拭いていただけますか?」と一声かけてくださいね。
レストランなどで、補助犬使用者と犬アレルギーの方と一緒になったときには、双方の席をできるだけ離すなどの配慮をしてください。
せっかくの楽しい外食なので、みんなが少しずつ譲り合って尊重しあえたらいいですね!
犬アレルギーの原因は「犬のフケや唾液」とされていますが、基本的に使用者さんが補助犬のシャンプーやブラッシングを定期的に欠かさずしているので、フケについてはほとんど心配いりません。唾液についても、補助犬に直接触れたりせずに一定の距離を保っていれば、大丈夫です!
しかし、「こういう条件なら確実にアレルギーは発症しない!」とは言い切れないので、まずは「接近させない配慮」がアレルギーのある方と補助犬使用者さんへの最低限の配慮になり、最大のアレルギー予防になります。
どんな時も、頭ごなしに「ダメ!」というのではなくて、「まずはどうしたら使用者さんも周囲の人も気持ちよく、楽しく施設を利用できるかな?」を考えられる優しい社会になってほしいです!
使用者さんが、その日の予定や補助犬の体調を考慮して排泄させています。
補助犬=3歳の子ども という例えを良くします。映画館に行ったとき、3歳の子どもと一緒だったら、映画中に我慢しなくていいように、始まる前にトイレに連れていきますよね。補助犬たちもそれと一緒です。もちろん、その日の体調によって映画中にトイレに行きたくなってしまうこともあるかもしれません。そんな時は、使用者さんがしっかり犬からのサインを受け取って、映画の途中でもトイレに連れていきます。
他にも、暑くてお水をたくさん飲ませた後は、いつもより早めにトイレに連れて行こう!とか、今日はいつも朝しているツー(うんち)をまだしていないから、お昼にも声をかけてみよう!など、、、本当に小さな子どものトイレの管理と似ているかもしれません(小さい子のお母さん、お父さんもいつもお疲れ様です…!)。
犬たちは決して、「いつもトイレを我慢させられてかわいそう!」なんてことはないんですよ。
犬の負担にならないように、そして周囲の方にもご迷惑をおかけしないように、使用者さんたちは日々努力されていること、ぜひ知っていていただきたいです。
補助犬がレストランなどの飲食店に同伴するとき、テーブルの下など、使用者さんの足元で待機しています。
補助犬は、使用者さんの食事中もしっかりおとなしく待つことができます。もちろん、テーブルの上の食事を欲しがったりもしません。
補助犬は毎日決まった時間にドッグフードをもらっていますし、人間の食べ物を与えないようにして訓練されているので、「テーブルの上は自分とは関係のない食事」と思ってのーんびり待機しています。
だから、お店の方や周囲の方へのお願いです!
まずはどうぞ温かい気持ちで受け入れてください。
補助犬と一緒だからと言って特別扱いは必要ありません。もしも、迷惑な行動があればはっきりと使用者さんに伝えてください。例えば、通路に補助犬のしっぽがはみ出していたりしたら、優しく教えて下さると助かります。
そして、「本当に補助犬かな?」と思ったら、「補助犬の体についている表示」と、使用者さんが携帯している「認定証」を確認してください。どちらか一方でも欠けていたら、お店の利用はできないと補助犬法で定められています。
補助犬の平均寿命は、ペット犬と大体同じ13歳くらいです。(補助犬として最も多く働いている犬種、ラブラドールの場合。)
「補助犬はお仕事のストレスのせいで、寿命が短い」というのは、完全な都市伝説!きちんとした調査で、補助犬の寿命はペット犬とほとんど変わりがないことが証明されています。当会副理事長の木村佳友も「介助犬の頭数調査 ~頭数推移、代替率、平均寿命~」の調査の中で、介助犬の平均寿命は12.7歳と報告しています(調査の内容は日本身体障害者補助犬学会の学会誌「日本補助犬科学研究第12巻1号」に掲載されています)。
ユーザーによる毎日の健康チェック、衛生管理や、定期的に獣医師の診察を受けているため、平均寿命よりも長生きする子も多くいます。補助犬たちは、ユーザーさんにたくさん褒めてもらえるお仕事をして、毎日しっかり衛生管理・健康チェックをしてもらってるのが長寿の秘訣かもしれません。